※『急性膵炎診療ガイドライン2010』より
厚生省研究班により2004年度に714例の追跡調査が行われた。
急性膵炎の再発 : 20.3%
>アルコール性 : 32.4%
>胆石性 : 7.4%
再発しないように膵臓が基に戻るまでは節度のある食事を心がけないといけない。
完全寛解になってもしばらくは再燃に留意したい。
■急性膵炎から慢性膵炎への移行
※『急性膵炎診療ガイドライン2010』より急性膵炎後の慢性膵炎への移行率は3~15%と報告がある。
急性膵炎と慢性膵炎は、メカニズムが違う疾患であるが、
急性膵炎から3~15 % で移行する可能性があるとのこと。
特に慢性膵炎は基本的には治癒しない疾患であり、障害付き合っていくしかない。
■急性膵炎の死亡率
※難病情報センターより2007年に発症した急性膵炎 1,921例における致命率は、急性膵炎全体では 1.9%であった。
重症急性膵炎の致命率は8.0%であった。
癌や透析における5年生存率とは比較にはならないが、
他の疾患全体から比べると致命率が低い疾患である。
その確率は、40人ぐらいのクラスでいうと3人ぐらい。
イメージとしては不意にクラス委員に選ばれるぐらいの確率である。
重症急性膵炎の致命率は以前に比較して改善してきている。
2007年の重症急性膵炎の死亡例を年齢別に集計すると、
30歳未満では死亡例がなく、60歳代までが7%未満ですが、
70歳代で17%、80歳以上で12.6%と、70歳を超えると致命率が上昇している。
重症度を判断する予後因子スコアでは年齢も含まれている(70歳以上かどうか)。
後々、主治医に「もう少し年齢が高かったら危険でした」と言われた。
年齢が上がることは体機能の低下、合併症発症リスクの増加などにつながり、
危険度が増すそうである。
■急性膵炎の死亡時期
※『急性膵炎診療ガイドライン2010』より急性膵炎では発症早期に死亡する症例が多い。
2000年以降の報告によると、死亡例の約半数は発症後2週間以内の早期死亡である。
・早期死亡例の主な死因
循環不全に伴う臓器不全
・後期死亡例の主な死因
感染性合併症、特に感染性膵壊死
そのため、発症早期には十分な治療がされるようにガイドラインでは定められている。
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